相続時精算課税の改正内容とは?
相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が新設!
2023年度の税制改正では「相続時精算課税制度」が大きく変わりました。これまでの相続時精算課税制度には、次の特徴がありました。
これまでの相続時精算課税制度の特徴
制度利用を選択すると合計2500万円まで贈与をしても贈与税はかかりません。ただ、相続する際には、相続財産に足し戻すため、この2500万円を含めて相続税がかかります。
そして、いったんこの制度を使う選択の届出をした間柄の贈与では、二度と暦年課税制度を使えなくなります。
また、2500万円を超過してしまうと、通常の贈与税が課税されます。
2023年税制改正点の特徴
■相続時精算課税制度に年100万円の基礎控除制度が創設
今回の改正で相続時精算課税制度に新たに「年110万円の基礎控除」の枠が加わります。2024年1月1以降、相続時精算課税制度を選択した人への贈与でも、年110万円までなら贈与税も相続税もかかりません。贈与税の申告も不要となります。
■暦年贈与の生前贈与加算期間の延長
生前贈与で変更になるのが暦年課税制度を使って行う生前贈与の相続財産への加算期間が、3年から7年になることです。
暦年課税制度は、死亡日以前3年間に贈与した財産は、相続の際、相続財産に持ち戻すこととなっています。贈与した金額が年110万円以下の基礎控除の範囲内でも、贈与者の死亡日以前3年間であれば、相続税の対象になります。これは増税となる改正です。