相続Q&A~遺産分割調停編~
遺産分割を放置するとどうなりますか?
遺産分割に期限はなく,また,罰則等もありません。
しかし、相続人が死亡して数次相続(=遺産分割協議等が終わる前に相続人が死亡すること)が発生すると,更に相続人が増えることになるため,遺産分割協議がまとまりにくくなってしまいます。
また,相続人が所在不明になったり,認知症になってしまったりした場合も,遺産分割を進めることは困難になります。
したがって,遺産分割協議は早めに行うべきです
遺産分割調停の時点で弁護士に依頼すべきでしょうか
裁判になってから弁護士に依頼すれば良いと考える方も多いと思いますが,調停段階から弁護士に依頼するメリットも多くあります。
たとえば、当事者間の感情的対立が激しい場合,弁護士が間に入って調停に臨むことで,冷静な対応が可能になります。また,遺言の有効性に疑義があったり,寄与分の問題があったりする場合,法的知識が要求されることになるため,専門的知識を有する弁護士に依頼することで,法的にも妥当な結論を導くことができます。
もっとも,弁護士報酬等,費用面の問題が生じるため,費用対効果を考える必要があります。
遺産分割で債務はどう扱えばいいでしょうか
遺産分割の対象は,プラスの財産のみです。
債務(マイナスの財産)については,相続開始の時点で,相続分に応じて自動的に相続されることになります。
遺産分割協議の中で,債務を誰が引き受けるのかを決めることは可能です。このような取り決めは,共同相続人間では有効ですが,債権者に対しては主張することができないので,注意が必要です。
また,債務が多い場合には,相続放棄を検討すべきです。
遺産分割調停を欠席していいのですか?
遺産分割調停においては,原則,相続人全員の出席が求められます。欠席者がいると,調停が成立しないため,遺産分割審判に移行することになります。
出席したくても,遠隔地に住んでいたり,病気であったりして,出席できない場合もあると思います。その場合には,弁護士に依頼したり,電話会議を利用したりする方法を検討すべきです。