相続Q&A~遺産隠し・使い込み編~
父(母)の遺産を母(父)が独り占めした
預金の全部または一部が使い込まれていたというケースはよくあります。
被相続人の生前,被相続人に無断で引き出した場合には,遺産分割協議とは別に,不当利得返還請求訴訟を提起することになります。被相続人からの贈与があって引き出したという場合には,特別受益にあたります。
被相続人が亡くなった後は遺産分割協議が終わるまで,誰も預金を引き出す権利を有しません。この場合も,不当利得返還請求訴訟を提起して,解決を図ることになります。
相続財産の調査
相続財産の調査にあたっては,どのような相続財産があるのか,その相続財産はいくらと評価されるのかを調査していくことになります。
被相続人の不動産については,登記識別情報や固定資産税課税通知書という書類を見れば,どこの不動産を所有しているのかが分かります。また,市区町村の固定資産税課で名寄帳を入手することで,被相続人名義の不動産を探すこともできます。
預貯金については,被相続人が利用していた金融機関に対して残高証明を照会することで,その有無を調査することができます。
株式などについては,被相続人が利用していた金融機関に対して取引履歴を照会すれば,その有無が分かります。
マイナス財産についても確認することが大切です。プラス財産とマイナス財産を比較して,マイナス財産が大きい場合には,相続放棄も検討すべきです。