相続Q&A~特別受益・寄与分編~
特別受益の対象例を教えてください
一部の相続人だけが,多額の生前贈与や遺贈を受けていた場合,他の相続人との間に不公平が生じます。この不公平を是正するための制度が,特別受益です。
特別受益に当たる例としては,①婚姻のための贈与(結婚の際の持参金や嫁入り道具等) ②生計の資本としての贈与(住宅資金や不要の範囲を超える金銭援助等) ③遺贈等があります。
相続人が特別受益を受けていた場合であっても、相続財産がマイナスであったり,遺言書に特別受益を考慮しないと書いてあったり,受益者が相続放棄をしたりした場合には,特別受益を考慮しません。
寄与分の種類とその具体例を教えてください
寄与行為の態様には,①被相続人の事業に関する労務の提供 ②事業に関する財産上の給付 ③被相続人の療養看護 ④その他の方法があります。
①については,自営業や農業を協力して行った場合が考えられます。②については,被相続人に金銭を融資したり,被相続人のローンの支払いを負担したりした場合が考えられます。③については,被相続人がヘルパーを雇わなければいけないところ,相続人が療養看護をしたために,ヘルパー代等の出費を免れた場合が考えられます。