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相続調査

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下記のようなことでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

  • 故人の遺言が出てきた
  • 相続人と連絡がとれない、自分が知らない相続人がいるようだ
  • 相続財産の全容を教えてもらえない、通帳を隠されている
  • 遺産分割協議書の内容を説明されずサインしろと言われている
  • 裁判所から遺産分割調停の呼出し状が届いた
  • 弁護士から内容証明郵便で相続に関する手紙が届いた
  • 遺産分割がまとまらず、相続トラブルになりそうだ

相続人が誰なのかを確定させ、正しく対応し、
円満に明確に相続人調査・相続財産調査を行います

相続人調査に必要なこと

相続が発生して、相続人が誰なのかを把握する「相続人調査」。
言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、実際何をすればよいのか、についてはご存知でしょうか?
ここでは、相続人調査を実施する上で、必要なことを説明いたします。

相続人調査でやらなければならないこと

相続人調査は、主には被相続人の配偶者や子などの親族以外に、相続人に該当する人がいないかどうかを調査することを指します。
そのために、被相続人が家族の関係(婚姻関係、親子関係、兄弟関係など)を持った人を全て探さなければなりません。

相続人調査をするうえで必要となる事 2つ

被相続人の一生分の戸籍(戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍)を集める

相続人調査の第一歩は、被相続人が、生まれてから死ぬまでの戸籍を全て集めることです。重要なのは、徹底的に「生まれたときから死ぬまで」の全ての戸籍を集める事です。

なぜなら、戸籍は結婚すると、新しく別の戸籍に入ることになる(除籍といいます)ため、結婚前の過去の戸籍をたどらないと、被相続人の兄弟姉妹や両親、さらには甥姪などを把握することができないからです。

特に、被相続人に、子がない場合、相続人は両親、両親もいない場合は兄弟になりますので、必ず「生まれたときから死ぬまで」の全ての戸籍を集めましょう。

集めた戸籍から、被相続人と関係があった人を洗い出し、相続人を確定する

戸籍が全て集まったら、次は相続人を確定する作業です。戸籍に載っている、被相続人以外の人物は全て何かかしらの家族関係を持っています。具体的には、被相続人の戸籍謄本には配偶者と子が記載されています。また除籍謄本には被相続人の両親や兄弟姉妹が記載されています。離婚経験がある被相続人であれば、別の除籍謄本に以前の配偶者や子が記載されていることもあります。(戸籍は結婚したり離婚したりするたびに新しくなるため、除籍謄本に記録されています)

通常、相続人は配偶者がいれば必ず配偶者が入り、相続する優先順位は子(前の配偶者の子も含まれる)、親、兄弟の順番となります。

上記の2つは、相続人を確定するために、必要となることです。

被相続人の戸籍収集も大変ですが、相続人を確定するのは、専門知識を有していないと困難だと思います。ですので、相続人調査は相続の専門家に依頼すると確実でしょう。


相続人調査について

相続が発生すると、遺産分割を相続人間で実施する必要があります。
その際に、必ずやるべきことがいくつかあります。その一つに「相続人調査」があります。
相続人調査を実施しないと、遺産分割を実施した際に、トラブルが発生してしまう可能性があります。
相続トラブルが発生すると、家族の仲が悪くなったり、場合によっては訴訟が必要となり、
弁護士費用や裁判費用などが掛かってしまったりと、不都合なことが多く発生してしまいます。
そこで、相続人調査とはどのようなものか、相続人調査がなぜ必要なのか、説明いたします。

相続人調査とは

相続人調査は、亡くなった人(被相続人)の財産や権利を相続する人が誰なのか、を戸籍謄本などで全員特定する調査のことをいいます。

通常、相続人は故人の配偶者と子、子がいない場合は親か孫、そのどちらもいない場合は被相続人の兄弟・姉妹となります。

しかし、その相続人が、「遠方に引っ越してしまった」「長らく連絡を取っていない」など、自分たちが把握していない相続人がいる可能性があります。

上記の場合に限らず、調査を実施すると、「実は亡くなった父の前妻との間には子どもがいた」「養子縁組をしていた」ということが発覚することもしばしばあります。では、なぜ相続人調査をする必要があるのでしょうか?

相続人調査が必要な理由

自分たちの把握していない相続人が存在した場合、なぜ相続トラブルが発生する可能性があるのか?

その理由は、遺産分割協議には相続人全員が参加し、遺産分割協議をまとめた法的文書である遺産分割協議書には相続人全員の署名・押印が必要となります。

そのため、相続人調査を実施せずに自分たちで勝手に遺産分割を行うと、自分たちで把握していなかった相続人が突然現れて、「相続人全員の同意が必要」である遺産分割が無効になってしまいます。

その場合、再度遺産分割協議を実施する必要があり、時間がかかってしまうだけでなく、「自分の知らない間に遺産分割を勝手に決められた」など、相続人間の感情的な対立が発生し、場合によっては訴訟で相続の遺産分割をする原因にもなります。

そのためにも、被相続人が亡くなったら、できる限り早く相続人調査を実施して、不必要な相続トラブルの原因を取り除きましょう。


戸籍の種類と収集方法

普段、身近ではない「戸籍」。しかし、相続が発生し、相続人を調査しなければならない場合、
被相続人の戸籍を集め、相続人を特定しなければなりません。
戸籍の種類や、収集方法を、普段からご存知の方は、少ないと思います。ですので、ここでしっかりご説明いたします。

戸籍の種類

そもそも、戸籍とは、人の出生の事実とその年月日(+両親の氏名)、婚姻や離婚の事実とその年月日、養子縁組の事実とその年月日などが記載されたものです。その中でも、大きく3種類に分かれます。

戸籍の種類

現時点での、戸籍の情報をまとめたものです。現時点でのものですので、婚姻・離別、子どもの誕生、家族の死去などでその内容は変わってきます。

そのため、公的機関に提出するときの戸籍謄本は、〇ヶ月以内といったように、できるかぎり最新のものを提出するように決められていることが多いのです。

除籍謄本

こちらは、すでに閉鎖された戸籍のため、変更されることがありません。戸籍内にいる人が全ていなくなる(死亡など)ことで、もともと戸籍謄本であったものが除籍謄本と変わったものです。

原戸籍

こちらも、すでに閉鎖された戸籍のため、変更されることがありません。除籍謄本と違うのは、原戸籍は法改正や様式の変更により、戸籍謄本を作り替える必要が発生した際の、古い方の戸籍を指します。

では、これらの中から、相続人を特定するためにどの戸籍をどのように収集すれば良いのでしょうか?

相続手続きに必要な戸籍の収集方法

パスポートの申請や銀行口座の作成、年金の受け取り開始時などは上記のうち、戸籍謄本のみ収集すればよいのですが、相続手続きを行うためには、亡くなった人(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍に加え、相続人全員の戸籍謄本も収集しなければなりません。

そのため、請求する際に、「被相続人について、出生(または婚姻)から死亡までの連続した戸籍を全て各〇通ずつ必要」である旨を伝えるようにしないと、不足した際に、再度戸籍を取りに来ることになってしまいます。

また、戸籍内にいる人全員の住所の記載がある戸籍の附票が必要になる場合もあり、こちらの収集もしておく必要があります。特に、マンションや家などの不動産の名義変更(相続登記)などでは提出が必須となります。

戸籍は、亡くなった人(被相続人)の本籍地の市区町村役場に請求することで、収集することができます。

具体的には、本籍地の市区町村役場に行って請求する方法と、郵送で請求する方法があります。

市区町村役場に直接行く場合必要なもの
  • 戸籍交付申請書(各市区町村が定める様式に必要事項を記載)
  • 印鑑(朱肉を使う印鑑であれば認印でも可)
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)

    戸籍の収集をする人と被相続人の関係が戸籍では確認できない場合は、その関係が確認できる戸籍が別途必要

郵送で請求する場合必要なもの
  • 戸籍交付申請書(各市区町村が定める様式に必要事項を記載のうえ、印鑑を押印)
  • 本人確認書類のコピー(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどのコピー)
  • 手数料に相当する定額小為替(不足した場合を考慮し、多めに同封)
  • 返信用封筒と切手

    戸籍の収集をする人と被相続人の関係が戸籍では確認できない場合は、その関係が確認できる戸籍が別途必要

最近は、市区町村によってはコンビニでの請求も可能な場合もありますが、導入市町村が少ないため、対応できない場合がありますので、主に上記2つの方法で戸籍を収集することとなります。


戸籍収集の手数料と時間

相続が発生した時、忌引きの期間があっても、それ以降は普段通りに働いている方が多いかと思います。
また、「戸籍収集(相続人調査)が重要」といえども、手数料や時間がいくらかかるのかを知らないと、思った以上の手間と感じてしまうかもしれません。
そこで、事前に戸籍収集を実施するために必要となる手数料と書類を取得するときに要する時間を把握できるようにまとめております。
参考にしてください。

戸籍収集の手数料と収集の時間

戸籍収集でかかる手数料について、3つの戸籍の種類がありましたが、それぞれ取得に必要な手数料が異なります。また、基本的に現金での支払いです。

各市町村役場で請求した際の費用

戸籍謄本
450円
除籍謄本
750円
原戸籍
750円
戸籍の附票
300円

東京都新宿区の例

郵送の場合

上記の費用を郵便局で購入できる「定額小為替」を購入して、請求書と切手を貼った返信用封筒と本人確認書類を同封して送付します。

そのため、手数料自体は窓口に請求する場合も郵送での請求の場合も変わりません。

戸籍収集の時間

市町村役場で請求する場合、被相続人の本籍地が近くにあり、かつ窓口が空いていれば、10分少々で済むと考えられます。しかし、被相続人の本籍地が遠方にある場合は、その移動時間がかかりますし、交通費もかかってしまいます。

一方で、郵送で請求する場合、被相続人の本籍地が県内であれば普通郵便でも最短2日で取得が可能です。ただ、郵送で請求する場合は、だいたい本籍地が遠方にある場合ではないか、と思います。

本籍地と自宅住所がどのくらい離れているかでも変わってきますが、普通郵便を利用した場合、本籍地が県外である場合は片道2~4日かかるため、往復だけで4~8日かかってしまいます。さらに戸籍をまとめて、返送作業をするのが当日にできるとも限りませんので、最長10日前後かかってしまう場合があります。

もし急いでいる場合、往復ともに速達郵便であれば、普通郵便で1週間かかるところ、3~4日で送付されます。費用が560円追加でかかりますので、郵送での請求をする場合は、余裕をもって実施しましょう。


戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の見方

戸籍の種類は、全部で3種類あります。

現在の戸籍をすべて記載した戸籍謄本、過去存在した戸籍で、現在は閉鎖している戸籍を記載した除籍謄本、法改正や様式の変更によって、
使えなくなってしまったために閉鎖した旧様式での戸籍である原戸籍の3種類です。
では、それぞれの戸籍はどのように見るか、お分かりいただけるでしょうか?いきなり言われてもわからないと思います。
そこで、ここではそれぞれの戸籍の見方を、戸籍の参考画像とともに説明いたします。

戸籍謄本の見方

戸籍謄本は、現在の戸籍をまとめたものです。

記載されている内容は、下記の8つです。

  • 本人の氏名、本籍地、生年月日
  • 本人の両親の氏名、両親から見た続柄
  • 出生地と出生年月日、出生届を出した日、受理した自治体、届出した人
  • 結婚した年月日、結婚する前の本籍地、結婚届を受理した自治体
  • 配偶者の氏名、本籍地、生年月日
  • 配偶者の両親の氏名、両親から見た続柄
  • 配偶者の出生地と出生年月日、出生届を出した日、受理した自治体、届出した人
  • 配偶者の結婚した年月日、結婚する前の本籍地、結婚届を受理した自治体

相続が発生した際に、必ず把握したいのはこの中でも次の3つです。

  • 本人の本籍地
  • 本人の両親の氏名
  • 結婚する前の本籍地

本人の本籍地を把握することで、戸籍以外に調べる必要がある書類を調べるために、どこで調べればよいのか、が把握できます。本籍地と住所地は異なる場合があるからです。

また、本人の両親の氏名を把握すると、さらに両親の戸籍謄本(または除籍謄本)を取り寄せて、両親や兄弟姉妹の存在を把握することが可能です。両親の戸籍を取り寄せるためにも、結婚する前の本籍地を把握することが必要となります。戸籍は本籍地の市区町村役場に請求するため、必ず把握する必要があるでしょう。

除籍謄本の見方

除籍謄本は、結婚・離婚や死亡により、閉鎖された戸籍の情報を記載したものです。除籍謄本に記載されている主な情報は、戸籍謄本とほぼ同じですが、下記の内容は必ず記載があります。

  • 戸籍からいなくなった人(除籍といいます)の情報
  • 戸籍からいなくなった人の原因(結婚・離婚、死亡など)とその発生日
  • 過去の家族のデータ(先妻や先妻との子、兄弟姉妹など)

これらの情報から、下記の2点を把握できます。

1. 相続の発生日を正確に把握できる

被相続人が死亡によって除籍されていた場合、本来、相続発生を自分が知った日と相続発生日(=死亡日時)は違ってきます。また、その相続発生日を基準に、相続放棄や相続税申告、遺留分減殺請求の期限が決まりますので、必ず確認しましょう。

2. 過去に被相続人と関係があり、
相続人になる可能性がある人物が把握できる

離婚や死別のような婚姻関係の解消によって、被相続人が除籍されていた場合、前の配偶者やその子も相続人になる場合があります。また、法定相続分も現配偶者との子と前の配偶者の子とでは平等ですので、必ず除籍謄本から過去に婚姻関係があった人物を探し出しましょう。

改製原戸籍謄本の見方

改製原戸籍は、法改正や様式の変更により、戸籍謄本を作り替える必要が発生した際の、古い方の戸籍を指します。改製原戸籍に記載されている主な情報は、戸籍謄本・除籍謄本とほぼ同じですが、法令で変更される前の戸籍の内容が記載されている点です。

上記の除籍謄本の中に「戸籍改製」という欄がありますが、この記載がある場合は、さらに改製原戸籍を取り寄せて、その改製原戸籍を参照して、被相続人の家族関係など、戸籍の情報を集める必要があります。

特に調査すべき内容は、下記の2点です。

1. 除籍謄本に記載されている本籍地よりもさらに以前の本籍地

戸籍は本籍地の市町村役場でのみ請求可能ですが、被相続人の本籍地が出生から死亡までの間に移動している場合、除籍謄本だけではさかのぼりきれない場合があります。除籍謄本からは、法令によって様式が変わった年月日と理由しか記載されないため、それ以前の変更内容については記載がなくなってしまうためです。改製原戸籍では、必ずどこから本籍地の転籍があったかを必ず調査して、転籍する前の本籍地の市町村役場でさらに以前の改製原戸籍を請求し、調査をしましょう。

2. 除籍謄本に記載されていない被相続人の両親の情報

除籍謄本からは、法令によって様式が変わった年月日と理由しか記載されないため、被相続人の両親の情報を完全に把握することができない場合があります。

その場合も、改製原戸籍から両親の生年月日や本籍地、出生当時の戸籍の情報などを調査しましょう。

また、改製原戸籍の中でも古いものについては、手書きの旧字体で記載されている場合があり、難読な場合もありえます。
その点にも気をつけて、調査を実施しましょう。
これらの3種類の戸籍の内容と、その中でも相続人調査のために注目するポイントについて説明させていただきました。
戸籍の見方について、この説明を読んでも難しい、面倒だと思った方は、ぜひ相続の専門家である弁護士に相談してください。


相続人調査を専門家に依頼すべき理由

相続が発生した際に、最初にすべきことのひとつとして、相続人が誰なのかを把握する「相続人調査」があります。
相続人調査は、戸籍の収集をメインに進めることになります。
しかし、戸籍の収集をするためには、難しい場合があります。その理由は大きく2つあります。

市区町村役場の戸籍の窓口が開いている時間は、平日の日中しかないため、日中働いている人は戸籍の収集をするのが難しい。

平日の日中は、ほとんどの方が働いてらっしゃるかと思います。そのため、空いている時間はどうしても平日夜間か土日祝日になるかと思います。

しかし、戸籍を請求する市区町村役場の窓口は平日の日中にしか空いておらず、日中働いている人が行ける時間には空いてません。

そのため、相続発生後に、戸籍の収集をするのは困難だと言えます。

被相続人の本籍地が遠い場合、郵送での請求となるが、やり取りを郵送で行うことになるため、費用が掛かり、さらに手書きで書類を記載しなければならない、切手や定額小為替などを買わないといけないなど、手続きが面倒である。

あなたのご実家から今住んでいる家が遠い場合、または親と一緒に実家から出てきた場合、戸籍は元の本籍地でしか取得できませんので、郵送で請求するか、直接本籍地の市町村役場まで行かなければなりません。

郵送の場合でも、手数料を払うための小為替などを準備するのに手間がかかり、かなり面倒な手続きとなります。

こういった、手続きを、漏れなく手間なく実施できるという点で、専門家に依頼するメリットは大きいです。

自分が戸籍を取りにいけない時間に取りにいってもらい、しっかり相続人調査まで専門家が実施するため、相続人調査で失敗しない、さらに弁護士であれば、相続で揉めるポイントを把握しているため、早期にトラブルなく遺産分割を解決に導くことも可能です。

相続人調査は相続に強い弁護士に依頼しましょう。

相続財産調査について

人が亡くなり、相続が発生すると、その被相続人の所有する財産を相続人に何らかの方法で分けなければなりません。
これがいわゆる遺産分割と呼ばれるものですが、その遺産分割のためには、分ける財産がどのくらいあるかを把握する必要があります。
それでは、相続財産調査とはどんなものでしょうか?

相続財産調査とは、相続財産調査が必要な理由

相続財産調査とは

相続財産調査とは、「被相続人が遺した遺産の全容を把握するための調査」のことを指します。

例えば、被相続人の預貯金が、どのくらい存在するかどうかを、預金通帳やカードをもとに、金融機関から残高証明書を取得して、内容や残高を把握する作業があります。

戸籍を取り寄せる「相続人調査」と同様、相続が発生した際にすぐに実施する必要があります。

なぜなら、相続するものには、不動産や預金のような、相続してプラスの財産もあれば、借金などのマイナスな財産もあります。

それら、マイナスな財産は、相続放棄や限定承認という形で、相続しないという決定もできますが、その手続きを行う期限が、相続が発生してから3か月以内とかなり短いため、相続財産調査は早いタイミングで実施すべきです。

相続財産調査が必要な理由 3つ

相続財産を把握しないと、そもそもどのくらい遺産分割するかが決定できない

相続財産の全容を把握していないと、遺産分割後に新たな遺産がでてきて、再度分割、ということにもなりかねないからです。さらに、相続財産の使い込みがあった場合、財産調査を実施しない限り、その事実にも気づくことができないのです。

相続税の計算が正確にできない

相続財産の全容を把握しておらず、過少に申告した場合やそもそも相続税の申告が必要なのにしない場合には追徴課税が起こり、お金を払うことになってしまいます。

マイナスの財産が存在した場合、相続放棄や限定承認といった、マイナスの財産を相続しないという選択ができない

さらに言えば相続放棄や限定承認は期限が一番短いため、相続財産調査は相続発生後、早急に実施すべきだといえます。

しかし、専門家に依頼すれば、相続財産調査をもれなく、確実に実施することが可能です。

自分一人では難しい、と感じましたら、ぜひ相続の専門家である弁護士にご相談ください。


相続財産調査の方法(遺産の探し方)

相続が発生した際に、必ず最初にやるべきこととして、被相続人が遺した遺産が、
どこにどのくらい存在し、遺産の財産額がどのくらいになるのかを調査する「相続財産調査」が挙げられます。
ただ、相続は急に発生します。葬儀などが慌ただしく過ぎ去った後、相続人が遺した遺産を全て探して、
相続人の遺産分割のために明確に整理する、という作業は非常に大変だと思います。
そこで、ここでは被相続人が遺した遺産の探し方の基本を説明させていただきます。

遺産の探し方

被相続人の自宅に遺産の手がかりとなる書類がないか探す

被相続人の遺産の存在を探すために、まずは被相続人の自宅に遺産の手がかりとなる書類がないか、探してみましょう。被相続人の遺品整理をする際に、ついでに遺産の手がかりを探すと良いでしょう。被相続人がよく使っていた書斎の机の引き出し、棚やレターケースなどに預金通帳や不動産の権利書が入っていることが多いです。また、郵便物に保険会社や証券会社などからの手紙が届いていたり、ローンの支払通知が届いていたりしていませんでしょうか?ポストや郵便受けもくまなく探しましょう。

被相続人の関係者に、遺産についてお伺いする

被相続人の関係者(友人や家族、隣人など)に遺産についてお伺いするのも効果的です。具体的には、被相続人の親しい友人からお金を借りていないか、家族に貸している自動車や家がないか、などを確認しましょう。関係者に少しでもその記憶がある場合は関係する財産の名義を調査したり、借用書がないか確かめたりすると、あなたが把握していない遺産が発見される場合があります。

手掛かりがあったら、積極的に書類の取り寄せなどを実施する

上記1、2、で見つけた手掛かりをもとに、実際に書類を取り寄せたり、問い合わせをしたりすることで、遺産の全容を把握しましょう。例えば、預貯金の通帳が発見された場合、該当する金融機関に残高証明書を請求し、確実な残高を把握します(最後に通帳に記帳されたときから取引が発生している場合、残高が、通帳に記載のある金額と異なる場合があるからです)。

以上、被相続人が遺した遺産の探し方の基本について説明いたしました。

基本はこの3つを実施することで遺産を探すことが出来ますが、遺産を探す余裕がない方や、方法に不安を感じている方は、相続の専門家である弁護士にご相談ください。


財産調査の期限

相続が発生したら、最初にやるべきことは、相続人が誰でどこにいるかを調べること(相続人調査)と
亡くなった方がどのくらいの財産を持っているのかを調べること(相続財産調査)です。
相続発生後、財産調査の期限は、厳密に決まっていませんが、被相続人の財産を相続するかしないか、つまり相続放棄や限定承認をするかしないかを
決定する期限が「相続が発生したことを知った日から3ヶ月」と決まっています。
そのため、財産調査の期限は3ヶ月と考えるのが妥当でしょう。そのため、かなりタイトなスケジュールとなります。

財産調査期限内に終わらせないとどうなるか

もし仮に、マイナスの財産が存在することを知らずに遺産分割を実施してしまい、遺産分割を実施後に被相続人に借金があることが発覚した場合、3ヶ月以上経過していると、相続放棄をするのは困難となります。そのようなトラブルも発生しうるのです。

ですので、3ヶ月以内に確実に相続財産調査を完了し、必要な場合は相続放棄や限定承認の手続きを取る必要があります。

また、相続財産の全容を把握していないと、相続税の申告もできません。もし財産調査せず、あとから多額の財産が見つかった場合、相続税の申告期限(相続発生を知ってから10ヶ月以内)までに申告が間に合わない、という事態が起きてしまう可能性があります。

このような事態が発生した場合、税務調査をされたり、追徴課税をされたりする危険性があります。そのためにも、相続財産調査で必ず財産の全容を把握すべきです。

相続されない銀行口座はどうなるか(休眠口座の取り扱い)

さらに、相続人が把握できず、被相続人から相続されなかった預貯金は、相続発生後10年で銀行の所有物となり、引き出すことが完全にできなくなります(全国銀行協会などの内規による、休眠口座の取り扱いで決められています)。

そのため、必ず被相続人の口座が、自分たちが把握しているもの以外に存在しないか、を調査する必要があります。

そこで、相続の専門家に依頼すれば、相続の財産調査を確実に実施し、相続放棄や限定承認が必要かどうかを提案できますので、ぜひご検討ください。


不動産・預貯金・金融資産などの調べ方

被相続人の財産調査、と一口に言っても、いろんな財産があります。その代表例が、不動産、預貯金、株や投資信託といった金融資産です。
ここでは、不動産、預貯金、金融資産の3つの財産について、調査の仕方を説明いたします。

不動産の調査方法

大まかに説明すると、まず不動産の「地番」「家屋番号」を調査して、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、その不動産の所有者や名義人を把握する、の流れとなります。

前提として、不動産のうち「土地」と「建物」は別々の財産として取り扱います。

被相続人が借りた借地の上に、建物は父が建てたもの、という場合もありえるためです。

最初にしなければならないことは、遺産である土地の「地番」や建物の「家屋番号」を調べることです。(ちなみに、住所や建物の名前とは関係ありません)

「地番」や「家屋番号」を調べる方法

「地番」や「家屋番号」を調べる方法として、その土地の権利証(登記識別情報通知書)を探すのが第一となります。その権利証には、土地、家屋だけでなく、私道、墓地などの固定資産税の非課税対象の不動産の「地番」や「家屋番号」も記載されています。自宅や被相続人の実家のタンスや机を探すと、出てくる場合が多いです。

もし、権利証が見つからない場合は、各市町村役場で「名寄帳」という市区町村ごとの納税義務者の課税資産が記載されたものを取得します。

名寄帳を取得する際の注意点

名寄帳を取得する際の注意点が3点あります。

1点目は、各市町村役場で管理する不動産のみが記載されているため、遠方の不動産については、遠方の市町村役場に行く必要があります。

2点目は、共有名義の資産は別で管理されているため、必ず「共有名義の名寄帳」も取得する必要があります。

3点目は、名寄帳から記載が漏れている場合もあるので、その場合は法務局でさらに調査が必要になります。

また、名寄帳を取り寄せる場合は、ついでに不動産の名義変更(相続登記)に必要になる固定資産評価証明書も取得しましょう。

そうして不動産の「地番」と「家屋番号」を把握したら、法務局で登記簿謄本を取得します。登記簿謄本を取得する際は、遠方の不動産のものも1つの法務局で取得可能です。

登記簿謄本には、不動産の種類、面積、権利情報などが記載されており、その不動産が被相続人の所有物かどうかも調べられます。

預貯金の調査方法

預貯金の調査は、被相続人の生前に持っていた預貯金口座を、遺品の中にある通帳やカードなどを手掛かりに調査することになります。

通帳やカードがある場合は、該当の銀行に持参し、自分が法定相続人であることを証明すること(具体的には戸籍謄本を持参するなど)で、被相続人の預金の有無や残高についての照会に応じてもらえます。

遺族に内緒で口座を開設している場合も…

しかし、被相続人が家族に全く内緒で口座を開設している場合もありえます。もしそこに多額の預貯金があり、そのことに気づかれずに10年以上経過すると、その預金は一切引き出せなくなり、遺産の相続ができなくなってしまいます。

そのため、遺品の中にある通帳やカード以外にも、別の銀行からのハガキや封筒が届いていないか確認しましょう。もし自分の覚えがない銀行から来ていたら、預貯金が残っている可能性がありますので、必ずその銀行にハガキや封筒を持って照会を依頼しましょう。

また、貸金庫を被相続人が借りている場合、その中身を確認するには相続人全員が開けることに合意しないといけないですので、貸金庫の存在が疑われるような鍵やカードが見つかったら、早急に開けるための手続きをしましょう。

金融資産の調査方法

金融資産とは、預貯金以外の、株式や債券などの「有価証券」や「投資信託」などを指します。調査方法は、被相続人が取引していた証券会社を、相続人自身で把握しているかしていないかで変わります。

被相続人が取引していた証券会社が把握できている場合は、証券会社から残高証明書を取り寄せると、保有状況が把握できます。この場合も、預貯金の相続調査と同様に、自分が法定相続人であることを証明すること(具体的には戸籍謄本を持参するなど)が必須となります。

証券会社が把握できない場合は?

被相続人が取引していた証券会社が把握できていない場合は、証券保管振替機構(通称ほふり)で被相続人が証券口座をどの証券会社に保有しているか、を情報開示請求という形で把握できます。なお、この開示請求は1人(住所が複数存在する場合は1住所)あたり1,620円の費用が掛かります。

この時点では、具体的に証券をどのくらい保有しているかはわからないので、その証券会社から残高証明書を取り寄せて調査することになります。


その他の財産の調べ方

被相続人が残した遺産の全容を把握するための、相続財産調査を行う上で、最優先に調査すべき財産は、不動産や預貯金などの遺産分割をする際に
揉めやすい財産ですが、それ以外にも調査すべき財産があります。
具体的には、自動車や家具といった動産、被相続人に掛けられていた保険金、働いていた会社から支給される死亡退職金が挙げられます。
ここでは、このようなその他の財産について、どのように調査すればよいかを説明いたします。

動産の調査方法

動産とは、「不動産ではないもの」です。また、仮植えされた樹木や家に据え付けられたふすま・障子などの「定着物でないもの」も動産に含まれます。ここでは、代表的な「自動車」「貴金属」「芸術品(骨董品や絵など)」の3つについて説明いたします。

自動車は、財産的な価値が残っている場合、相続財産に

自動車は、財産的な価値が残っている場合、相続財産に含まれます。

遺産分割のために、その自動車の名義は誰のものか、財産的な価値がどのくらいあるか、を把握する必要があります。

必要な情報として、自動車の車種・年式、購入年月日、自動車の所有者の名義が挙げられます。

その情報を集めるために、調査すべき書類は下記の4つです。

購入時の注文書、請求書、領収書

自動車自体の有無が確認できます。被相続人の自宅になくても、全く別の駐車場などに存在する可能性があるため、最初に探すべき書類です。

自動車検査証(通称:車検証)

購入時の書類が見つかった場合、次に探すべきは車検証です。なぜなら、ここには自動車の所有者、登録年月日などの所有・登録情報、車種・形式などの自動車自体の情報が把握可能です。自動車が被相続人の所有なのかそうでないのか、が把握できるとともに、車種・形式の情報から自動車のおおよその財産額が把握可能です。もし発見できない場合は、各市町村の運輸支局(または陸運局)へ照会を依頼しましょう。

自動車税納税証明書

被相続人名義の自動車がある場合、必ず自動車税の納税証明書が被相続人の宛名で送付されています。その証明書から自動車の所有者や自動車税の算定基準となる自動車の価額が把握できます。

自動車の保険証券

自動車の任意保険の保険証券からも自動車の所有者や自動車の情報を確認できます。当該保険証券が見つからない場合、損害保険会社に問い合わせてみましょう。加えて、被相続人の使用していた自動車だけでなく、相続人や親族が使っている自動車の名義も、被相続人の名義で所有している可能性がありますので、必ず調査しましょう。

貴金属・芸術品は、財産的価値が
あるものについては相続財産

貴金属は、財産的価値があるものについて、相続財産として相続人に相続されます。貴金属も同様に財産の存在と財産的価値を調査する必要があります。貴金属は被相続人の自宅の金庫や化粧台などを入念に探しましょう。また、場合によっては貸金庫に入っている場合もありますので、その場合は貸金庫を開けられるように手配しましょう。次に、財産的価値を調べるには、鑑定士に鑑定してもらうのが一番手っ取り早いでしょう。

芸術品(骨董品や絵画など)も貴金属同様、財産の存在と財産的価値を調べる必要があります。作品に落款(判子)、署名などがないかを探し、作者から美術年鑑を探し、作品の評価額を調べましょう。また、入っている箱や添付の資料も作品の作者や評価額などのヒントとなる情報がありますので、必ず調べましょう。

保険金・死亡退職金の調査方法

被相続人の死亡時に受け取れる生命保険金と死亡退職金は相続財産ではありません。そのため、遺産分割の対象にはなりません。しかし、相続税の算定の際に、「みなし相続財産」として相続財産に加算されますので、必ず調査しましょう。

生命保険金の調査方法

生命保険金の調査方法は、受取人が把握できている場合は、受け取った人の預貯金の通帳などを調べると、保険金の金額や保険会社のヒントが見つかります。一方、受取人が把握できてない場合は、預貯金やローンの調査方法と同様に、被相続人の自宅などに保険会社から来ている通知書や保管している保険証券などを探しましょう。

被相続人の契約している生命保険会社が判明したら、その保険会社に連絡し、保険の契約内容を必ず確認しましょう。

死亡退職金の調査方法

死亡退職金は、被相続人が働いていた期間に亡くなった場合に、勤務先の会社から支払われます。その支払先と支払った退職金の額は支払明細書が会社から送付されてきていないか確認し、見つからない場合は勤務先の会社に請求しましょう。


マイナスの財産を調査すべき理由

相続が発生した際に、被相続人が遺した財産を、必ず調査する必要があります。
その際に、不動産や預貯金などの「プラスの財産」とローンや借金などの「マイナスの財産」があります。
プラスの財産以上に、マイナスの財産は入念に調査すべきでしょう。では、なぜ入念に調査すべきなのでしょうか。

マイナスの財産を調査すべき3つの理由

マイナスの財産を調査すべき理由は主に3つあります。

借金などの債務の相続をしないため

マイナスの財産である、ローンや借金は相続放棄しない限り、他のプラスの財産とともに相続することになります。つまり、被相続人が借りているお金を相続人が代わりに返済することになります。相続放棄の申述期限は、相続が発生してから3ヶ月以内であるため、それまでにマイナスの財産を含めた、相続財産を相続しないという判断をするために、必ず債務の調査を実施しましょう。

遺産分割協議を1度でスムーズに完了するため

遺産分割協議は、相続財産を全て把握したうえでどのように遺産を分けるかの協議を行い、相続人全員の合意をもって遺産分割の内容が決定します。しかし、相続財産があとから発見された場合は、やり直しとなります。特に、マイナスの財産については、だれしも相続したくないものですので、相続トラブルの原因となる可能性が高くなります。そのためにも、マイナスの財産も含めた相続財産をすべて把握し、遺産分割を実施しましょう。

相続税の申告を正確に行うため

相続税の算定をする際に、マイナスの財産が存在する場合、相続税を算定するための相続財産額から「債務控除」として差し引くことが可能です。そのため、相続税が課税される程度の相続財産があるのであれば、必ず債務控除を受けるためにマイナスの財産が存在しないかも調査するべきでしょう。

以上、3つの理由から、マイナスの財産を調査すべきだと考えられます。ただし、マイナスの財産を調査するのは、プラスの財産を調査することよりも難しい場合が多いです。相続の専門家は、そのようなマイナスの財産を調査することにも長けておりますので、専門家に依頼することをおすすめします。


マイナスの財産の例・探し方

相続が発生した際に、被相続人が遺した財産を、必ず調査する必要があります。
相続財産調査では、不動産や預貯金などのプラスの財産を調査するだけでなく、借金や債務などのマイナスの財産を調査することも重要となります。
もし、借金や債務が発見された場合、その借金は相続放棄しない限り、相続人が代わりに返済する(肩代わりする)ことになり、
自分が借りていないのに、借金に苦しめられることになります。
では、そういったマイナスの財産を相続しないためにも、マイナスの財産の例とその探し方をここでは説明いたします。
プラスの財産以上に、マイナスの財産は入念に調査すべきでしょう。では、なぜ入念に調査すべきなのでしょうか。

マイナスの財産の例

マイナスの財産の例としてまず挙げられるのは、住宅ローンがあります。被相続人がまだローンを完済していない場合、その債務は相続人に相続されます。

また、クレジットカードの支払残高もマイナスの財産のひとつです。相続が発生した際には、預貯金の口座は凍結されますので、支払が行われなくなり、督促状が届く場合があります。

住宅ローンやクレジットカードの場合は、まだ明確に書類や債務の支払い帳票が定期的に届くため、その存在を把握するのは簡単ですが、まったく家族に内緒の借金があり、突然取り立てがあった、という事例もあります。このような事態はぜひ避けたいものですね。

では、マイナスの財産はどのように探すのが適切でしょうか?

マイナスの財産の探し方

まず、住宅ローンや自動車ローンなどのローンの残高については、被相続人宛の請求書が届いていないか、確認しましょう。特に住宅ローンの場合は、契約者が死亡すると、残りのローン残高が帳消しになる保険を金融機関が設定している場合があるので、請求書が届いていたら必ず金融機関に問い合わせしましょう。

次に、クレジットカードの支払残高についても請求書が届いていないか確認し、届いていたら支払いを済ませましょう。最近はウェブで利用明細が確認できる場合があるため、必ず被相続人のPCの中も探しましょう。また、クレジットカードの場合は年会費の支払いなどが発生してしまうため、必ず解約しておきましょう。

そして、それ以外の借金類がないかどうか、被相続人の自宅などに借用書がないかは入念に探す必要があります。特に、金庫や机の中、タンスの中などをくまなく探しましょう。また、借金をしている心当たりのある人に聞いてみるのも手でしょう。ただし、借用書がないのに借金の存在を一方的に主張されてしまった場合は、必ず弁護士に相談してください。

以上、マイナスの財産の例と探し方について説明してきましたが、実際はかなりの手間となるため、相続財産調査は相続の専門家に依頼したほうが確実です。


財産目録の作成の方法

財産目録は、遺産分割協議をスムーズに進めるために必要となります。相続財産の全容を全員が明確に把握した状態で協議をできるため、
必ず作成してから協議に臨むことをおすすめします。
では具体的にどのように作成すればよいでしょうか?
形式自体は決まったものはありませんが、裁判所が作成したひな形をもとに、記載方法をまとめます。

不動産の場合

記載内容
所在地、地番、地目、所有割合、(共有者がいる場合)共有者、抵当権の設定の有無・ある場合はその金額
記載内容のポイント
種類(土地なのか建物なのか)を明確に記載すること
所在を正確に記載する、地番や家屋番号を必ず調べて記載すること
地積や面積は正確に記載すること

動産(自動車など)

記載内容
所在住所、名称・詳細、金額、備考
記載内容のポイント
自動車や家電など、どういうものかが分かるように記載すること
個数なども、漏らさずに記載すること

現金・預貯金

記載内容
現金の場合:死亡日の残高、所在地
預貯金の場合:金融機関名、支店名、種類(普通預金や定期預金など)、口座名義人、口座番号、死亡日の残高、(定期預金の場合)満期日
記載内容のポイント
残高は1円単位まで必ず記載すること
残高証明書を必ず取得し、その情報を記載すること

証券・保険

証券の記載内容
証券会社名と支店名、証券の品名(株の場合は銘柄、投資信託の場合は商品名など)、証券番号、種類(株券、投資信託など)、数量(株の場合は株式数、債券や投資信託などは口数)、金額(死亡日の時価)、購入日、(債券など、有期の証券の場合)満期日
保険の記載内容
保険の商品名および種類(損害保険、生命保険など)、保険会社名と担当者名、証券番号、保険金の金額
記載内容のポイント
それぞれ、把握している情報はもれなく記載すること

借金・負債などのマイナスの財産

記載内容
借入先(銀行であれば銀行名と支店名、その他の企業の場合はその社名)、借入日、返済日(または予定日)、金利、元本、返済額、保証人
記載内容のポイント
死亡日の残高を必ず把握し、記載すること
上記のように、記載内容は、財産調査を通して把握したものを記載し、漏れなく、正確に記載する必要があります。

相続財産調査を専門家に任せたほうが良い理由

相続が発生した際に、最初にすべきことのひとつとして、相続人が誰なのかを把握する「相続人調査」があります。
相続財産調査は、被相続人の家にある財産のありかのヒントとなるもの(預貯金であれば通帳やカード、不動産であれば権利書など)を使って、
いろんな場所から財産の情報を集約する作業がメインになります。
しかし、正直、相続財産調査を相続人だけで実施するのは、非常に難しいと考えられます。
その理由は大きく3つあります。

不動産の場合

銀行や法務局、市区町村役場が開いている時間は、おおよその場合、平日の日中しかないため、
日中働いている人は財産の存在を調べるのが難しい

平日の日中は、ほとんどの方が働いてらっしゃるかと思います。そのため、空いている時間はどうしても平日夜間か土日祝日になるかと思います。

しかし、不動産の権利について調査するために行く法務局や市区町村役場、預貯金の存在を調査するために行く銀行や信用金庫は、平日の日中にしか空いていない場合が多く、日中働いている人が行ける時間には空いてません。

そのため、相続発生後に、働きながら、財産の調査をするのは困難だと言えます。

被相続人の遺品から、財産の存在を調査するのに、かなり骨が折れる。さらに、相続人が把握していない預貯金の口座や
不動産、自動車などの財産は、慣れていない人が調査を実施しても発見できない可能性が高い

被相続人が、土地の権利書類をどこに入れているか、それを常に把握している人はなかなかいないと思います。そのため、被相続人の実家にある、使っていた机の中やタンス、棚などをくまなく探す必要があります。

また、もし見つかっても、欲しい情報がない、ということはしばしば発生します。そのため、ひとつ財産の存在のヒントとなるものが出てくると、いろんな場所に行って、書類を取り寄せて…と作業が増えていきます。そういう点で、非常に骨折りな作業となります。

さらに、被相続人が、相続人である配偶者や子に全く内緒で預貯金の口座を作っていたり、借金を隠していたりすると、相続発生後に書類や通帳などを発見できない場合があります。相続手続きが終わってから、突然借金の督促状が届くなど、大変な事態になった事例もあります。

相続財産の調査は、抜け漏れがあると、トラブルの原因にもなりかねないのです。

被相続人の不動産の所在地や預貯金を預けている銀行等の支店が近くにない場合、書類を取り寄せたり、
被相続人の自宅内を探したりするために、遠方に何度も行き来しなければならなくなる

被相続人の不動産の所在地が遠方にある場合、遠方の法務局や市町村役場に行って不動産の権利情報を調べることになりますが、その行き来が大変となります。

また、被相続人の預貯金の口座がある銀行等の支店が近くにない場合、遠方まで行かなければならなかったり、郵送などで手続をしたりと、手間がかかります。

上記のような理由から、相続財産調査を相続人ご自身で進めるのが難しいと言えます。

そこで、当事務所では相続財産調査をご依頼いただくことが可能となっております。相続財産調査をご依頼いただくと、上記のような負担が大きく軽減できます。

当事務所は相続調査について研修を実施しており、確実に相続調査を進めることが可能です。

また、当事務所に相続財産調査をご依頼いただいた場合、ご依頼いただいた方の状況に応じて、具体的にどのように遺産分割や遺留分減殺請求を進めるかなどの法的なアドバイスを早い段階で差し上げることができます。弁護士であれば、相続で揉めるポイントを把握しているため、早期にトラブルなく遺産分割を解決に導くことも可能です。

相続財産調査は相続に強い弁護士に依頼しましょう。

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