相続放棄したら、財産の管理はしなくても大丈夫ですか?
相続放棄をしても、財産の管理をしなくてはいけない場合があります。
相続人は、相続を承認するか放棄するかを決めるための熟慮期間中、相続財産を管理する義務を負います(民法918条)。そして、相続放棄をすれば、当該義務はなくなります。
もっとも、相続放棄をした場合でも、
①その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、
②相続人又は相続財産清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、
相続財産の管理をしなくてはいけません。(民法940条)
管理の程度は、「自分の財産を管理するのと同じ程度の注意」で足ります。
仮に、相続放棄をしても、次の相続人がいない場合は、管理義務を引き続き負うこととなります。その場合は、相続財産清算人を選任するように、家庭裁判所に請求しましょう。(民法952条)
なお、相続放棄の手続きは、被相続人が亡くなったことを知ったときから3カ月以内に、家庭裁判所に対して、相続放棄申述書を提出する必要がありますので、この点注意が必要となります。